しかしながら、今、日本も、世界も、大きな転換点を迎えており、この伊那谷も、従来の延長線では明るい未来の姿を描くことができない状態にあります。
その要因の一つは、急速にすすむ少子高齢化と、これに伴い人口減少が目の前に迫っていることです。
長寿は喜ばしいことですが、出生率が下がり、相対的に若い世代が減っていくことは大きな問題です。この結果、医療や介護のコストをどのように負担するか、
お年寄りを社会全体でいかに支えていくかが大きな問題となっています。また、労働力の減少に伴う経済成長率の低下も予想されます。
さらに、国、地方ともに財政収支の悪化が問題となっています。国の予算においても、82兆円弱の一般会計予算のうち、税収は42兆円弱しかありません。
これは、先進国の中でも最低の水準であり、これ以上国債等の借金に頼ることはできないところまで来ています。
もう一つの大きな要因は、地球規模の環境の悪化です。大量生産・大量消費・大量廃棄は経済成長をもたらしましたが、
一方で地球温暖化や森林の過度の伐採、化学物質による環境汚染や、資源の枯渇などを招いています。
発展途上国を中心として人口が爆発的に増加し、一方で食糧生産可能な地域は限定されているため、世界的な食糧危機が発生する可能性が高まっています。