衆議院議員 / 前内閣府副大臣 宮下一郎
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私の政策
基本的な考え方

素晴らしい地域 伊那谷

私は、これまで伊那と東京を往復する生活を続けてきましたが、伊那谷に戻るたびに、豊かな自然の恵みや温かい人情に接し、その素晴らしさを実感してきました。 伊那谷は、農林業や中小商工業、ハイテク産業や観光業など、多様な産業が存在し、様々な文化・芸術にも恵まれた本当に素晴らしい地域だと思います。

そして、日本の高度成長とともに、様々な社会資本整備や福祉制度の充実、農林業の振興などを通じ、健康で長寿な地域として、大きく発展してきました。

少子高齢化・財政悪化・地球環境問題

しかしながら、今、日本も、世界も、大きな転換点を迎えており、この伊那谷も、従来の延長線では明るい未来の姿を描くことができない状態にあります。

その要因の一つは、急速にすすむ少子高齢化と、これに伴い人口減少が目の前に迫っていることです。 長寿は喜ばしいことですが、出生率が下がり、相対的に若い世代が減っていくことは大きな問題です。この結果、医療や介護のコストをどのように負担するか、 お年寄りを社会全体でいかに支えていくかが大きな問題となっています。また、労働力の減少に伴う経済成長率の低下も予想されます。

さらに、国、地方ともに財政収支の悪化が問題となっています。国の予算においても、82兆円弱の一般会計予算のうち、税収は42兆円弱しかありません。 これは、先進国の中でも最低の水準であり、これ以上国債等の借金に頼ることはできないところまで来ています。

もう一つの大きな要因は、地球規模の環境の悪化です。大量生産・大量消費・大量廃棄は経済成長をもたらしましたが、 一方で地球温暖化や森林の過度の伐採、化学物質による環境汚染や、資源の枯渇などを招いています。 発展途上国を中心として人口が爆発的に増加し、一方で食糧生産可能な地域は限定されているため、世界的な食糧危機が発生する可能性が高まっています。

真の景気回復とは

ここで、「真の景気回復」とは何かを考えてみたいと思います。もし、「景気回復=経済指標の改善」ということならば、株価をはじめ、 様々な指標が上向いてきており、景気は回復に向かいつつあることになります。しかしながら、多くの国民は景気回復を実感することができないでいます。 これは、経済指標が国民生活の一部しか示していないからです。GDPの成長率がプラスになっても、経済活動の結果として地球温暖化がさらにすすむなど、 長期的には私たちにとって大きなマイナスとなる場合さえあります。

また、生産性や競争力の低い分野から技術の高い、国際競争力のある分野に人材や資源を移していく「構造改革」は必要なことはわかっていても、 その道筋や進むべき新しい分野がはっきりと見えないことが現在の閉塞感につながっているのではないかと思います。

安心と豊かさをもたらす技術開発を

私は、新エネルギー開発や淡水化技術、省エネ機器開発などのような「環境と調和した成長を可能にする技術」や、 最先端医療技術や情報通信技術のように「人々の暮らしに安心感と豊かさをもたらす技術」など、しっかりとした目的意識に基づいた研究や技術開発をすすめるとともに、 その知的財産権を保護し、高い技術力に裏打ちされた製品の輸出や援助などで世界の発展に貢献するという日本の姿を追及すべきであると考えます。 そのためにも、高速情報網をはじめとするインフラの整備を促進するとともに、基礎科学研究への支援や、 意欲ある中小企業も参加できるような産学共同研究の推進などが必要であると考えます。

生きがいをもって暮らせる地域社会の再生

こうした、最先端技術分野での発展をめざす一方で、同時に日本がめざすべきなのは、そこに住む人々が生きがいをもって暮らせるような地域社会の再生だと思います。 私は、農林業や中小商工業の存在価値を皆が改めて認識し、地域の生産物を地域の人々が消費する地産地消の考え方を基盤とするとともに、 社会福祉や介護などの社会保障面でもお互いが助け合う社会、地域みんなで子どもを育てる心の通い合う社会、そうした「真に自立した地域社会」を再構築することにより、 従来の経済指標に現れない「真の豊かさ」が実感できるようにしていくことが、「真の景気回復」の姿なのだと考えます。 そうしたことを考えたとき、改めて伊那谷のもつ素晴らしい可能性が見えてきます。 私は、伊那谷を二十一世紀の日本が目指すべき理想郷として発展させたいと考えています。

心豊かな未来を拓く

これからの日本は、「自立した地域社会」を基礎にし、国民一人一人が生きがいをもち、豊かな心で暮らせる国、 優れた人材や技術によって様々な国際貢献を行い、世界から尊敬される国をめざすべきです。

日本にとっても、世界にとっても今が正念場です。私は皆様とともに心豊かな未来を拓いていきたいと考えています。